《 女の子が髪を切るとき  (前編) 》
 結局、クリスマス公演は1度も観ることが出来なかった。それだけが心残りだったが、特に何事もなく1996年は終わってしまった。そして迎えた1997年。SKiの仕事始めは早い(笑)。1/4と翌日、早々に「謹賀の宴」は催された。ちょっと遅めではあるが、東京の知人(実は本間氏)から届いた年賀状の裏には、この謹賀の宴で撮影された愛しの裕紀子ちゃんが綺麗な髪を触る仕草をして、ニッコリ微笑んでいる。去年も最高の笑顔を見せてくれた裕紀子ちゃん。その笑顔は今年も健在だった。久振りの上京となる2月9日の渋谷公会堂では、笑顔を振りまき長くて綺麗な髪を靡かせ、ステージで歌い踊る姿を楽しみにしていた。

 しかし、「謹賀の宴 追加撮影会」での裕紀子ちゃんは……きのこだった(泣)。あの綺麗な長い髪を肩よりも短く切っていたのだった。最初、その話を聞いたときは信じられなかった。が、某ホームページに登録されている画像データを見て、現実であることを認めざるを得なかった。裕紀子ちゃんの綺麗な髪に魅せられて、「(*1)ストロン保存向上委員会」まで結成した私にとって、あまりに衝撃が強かった。まだ目の前で見た訳でもないし、裕紀子ちゃんと言えば綺麗なストレートヘアーってイメージが強かったため、肩よりも短いショートカットを冷静に判断できない。そのうち慣れてしまうのかもしれないが、も少し時間がかかりそうだ。決して、ショートカットを否定するわけではない。が、余りにも突然で予期せぬ事だったので、戸惑ってしまっているのが正直なところだろう。しかし、何があったんだろう。女の子が髪を切るとき……。女の子が髪を切るって事は何かしら心情の変化とか、気持ちの切り替えとか、そういった事がつきまといがちだ。高校卒業を目の前に控え、短大進学への意気込みなのか?それとも、単なる気分転換なんだろうか?まさか、失恋!?(^_^;。そんなやつは許さない象。あたしは、いつでもOKだからね、待ってるよ(爆笑)>裕紀子ちゃん

 はっきり言ってショックだった。何らかの理由を強引につくり、やり場のない気持ちを押さえようとも思ったが、そんな事では納得出来なかった。が、1通の手紙でそのやり場のない気持ちはすーっと引いていった。クリスマス公演前に裕紀子ちゃん宛に送っていたお手紙のお返事だった。

「私、髪切っちゃったんですよ、バッサリと...」

何の変哲もない一文だ。「あぁそうか、切っちゃったか。」そんな感じだった。大きな声じゃ言えないけど、ストロン求めて他のメンバに流れることも、もう1人の私(=悪まる井)が考えていた。今思えば「何でそんなこと考えたんだろう?」と頭を抱えてしまう。ストロンだけが裕紀子ちゃんじゃない。私はストロンだけが好きな訳じゃなくて、井上裕紀子が好きなんだ。きのこだって良いじゃないか。綺麗なきのこだよ(美しい薔薇にトゲがあるように、見た目綺麗な茸には毒茸が比較的多い。[毒]という最終兵器を隠し持っているきのこ……、きのこになっても小悪魔的なキャラクターは変わらないようだ(笑))。髪が長かろうと短かろうと、そんなの関係ない、井上裕紀子は井上裕紀子なんだって。たった今までショックのどん底にいたのに、その一文が大切な事を気付かせてくれた。「(*2)髪切って愛深まる」って言うんですか?(笑)。

 正直言って、肩より短い髪ってのは結構ショックだったけど、切った後にうだうだ言っても仕方ない。輝いている瞬間(いま)を応援するのが私の仕事だ(笑)(*3)。
 どちらにせよ、髪の毛は生きていればまた伸びてくる。裕紀子ちゃん自身、ショートカットが気に入らなければ、また伸ばすだろうし(伸ばしてくれぇ〜(笑))。まだ本物を見てもない私がくよくよしてても仕方ない。「きのこのゆきこ」を直視出来るかどうか自信ないけど、卒業式の入り口で握手会でもあった時には「やぁ〜ぃ、きのこ〜」とからかってやるんだ(笑)。

P.S. 当然、他のメンバに流れることはありませんので(笑)。

【 1/M 記 まる井 】

(*1) ストロン:ストレートロングの略。
(*2) 正しくは「雨降って地固まる」ですよね。
(*3) 裕紀子ちゃんを温かく応援する会のサブタイトル「輝いている瞬間(いま)を応援します」


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