last update:1999/04/29

 四期生イレコミレビュー
《かこちゃんって、どんな娘?》


BY 恵里子にTry!(埼玉県)

 私はかねがね、伊藤嘉代子ちゃんに関して、非常に関心がありました。
 その理由は、一言で言って“よくわからないから”なのです。
 よく言われることですが、「キャラクターがつかみにくい」とか、「地味」だとか、「存在感が薄い」等の評価が大方です。あとは、嘉代子ちゃん(以下、かこちゃん)についているファンの顔が見えてこないなど…。
 おおよそについては、このような見解に同感という感じなのですが、最近のかこちゃんを見ていると、どうもそうでもないような気がするのです。

伊藤嘉代子
撮影/恵里子にTry! 

 正直言って、彼女も入会してから早くも2年が経とうとしているわけですが、あまりキャラクターなどはつかめていません。
 しかしこの2年で、特に主力であった三期生の大半が辞めて以来、ずいぶんと変わった印象があります。
 それについて、「同じように目立たないキャラクターの持ち主が三期生にいたために、余計に目立たなかっただけで、その三期生が辞めたからこそ、彼女のキャラクターがクローズアップされるようになったのだ」という考えの方もいらっしゃるようです。が、果たしてそれだけなのでしょうか?
 確かに、昨年の6月あたりまでのかこちゃんを評価するならば、その通りかもしれません。
 自分から何か積極的にしようとする姿勢が、あまり見受けられませんでしたから(特に、入会当初はさっぱり分かりませんでした)。

 しかし、私が考えるに、昨年の8月あたりを境に変化してきたようなのです。
 一つは、8月公演でのコーナーの司会。朋美ちゃんの補助つき(笑)ではありましたが、あの天然(?)ボケぶりは個性として十分になりえるでしょう。
 計算しているとは思えないほどの大ボケの数々。ただ、これはSKiという空間の中でだから成り立つのかも知れません。

 二つ目に、これは一つ目と同じようなものですが、11月公演の中で、【『時の流れに』の歌詞の意味を考えるコーナー】ならびに【“文化”について考えるコーナー】がありました。
 その時、かこちゃんは非常にタイミング良く、コーナー終了間際「さっぱりわかりません」と、実感をこめて発言していたのです。ここは普通、実感を込めるところではありません。でも、それをやってしまうところに、かこちゃんのキャラクターの面白さ、楽しさがあります。発言しているときの表情を見ていると、必ずしもお客さんにここで笑ってもらおうとして言っているだけには思えないのです。
 それが一つの個性であり、それはあくまで自然体(不自然なくらいに)なのだと考えます。
 確かにこれも、外へ出て通用するかといえば、何とも言えないところではあります。
 でも、彼女は少しずつではあるものの、自分を出してきていると思うのです。ですから、その辺を評価してあげるべきではないかと、私は思います。
 ただ、その成長度合いの遅さ(他メンバー、つまり朋美ちゃんや恵里子ちゃんと比べて)により、中途半端なポジションにいて、いまいちブレイクできない状況にはあります。
 それについて印象的だったのは、昨年の9月公演で、『渚に消えた初恋』をオープニングナンバーとしてやったとき、かこちゃんはなんと、後輩の五期生に混じって、四期生で唯一ポンポン隊をやっていたのです。
 「かこちゃんはこれで良いと思っているのか? 不満じゃないのか?」色々と頭に浮かび、複雑な心境で見ていました。しかし、“これがかこちゃんの持ち味”だと言われると納得してしまいそうなのが不思議でした。
 「年齢は関係ない」と言う人もいるかもしれないけれど、彼女は高二ですよ。みーつー(松本美雪)が高三にのとき、寿隊をやっていて、自分に疑問を感じていないのか? と思いましたが、あれは寿隊だから、ある程度自分を捨てられたのでしょう。
 かこちゃんはSKi本体で、いまだにポンポン隊や、バックダンサーをやっているのです。これはよく考えると驚くべきことです。他の四期生などにジェラシーを感じていたって、おかしくないと思うのに…。彼女は黙々とこなしています。

 少し脱線しましたが、第三に歌が挙げられます。歌い方も一つの個性な訳ですが、『恋のインビテーション』や『恋の占い』などを歌っているときは、まだ自分の歌い方をものにしていず、声も小さかったですね。
 ところが、9月公演で出た、かこちゃんのソロ曲『あなた』を聴いて、ようやくかこちゃんも自分の歌い方を、そのキッカケだけでもつかんだのではないかなと思いました。
 一口に言って、話し声と歌声とがかなり違いました。高音域は思い切って、声が裏返ってもいいから大きな声でしっかりと歌っている姿が印象的だったのです。それと、かわいらしく歌えていました。これが次の曲への布石となると良いです。

 そして第四に、これが今でも忘れられないのですが、昨年8月の川口そごうでのIJRキャンペーンでのこと
 握手会の最中、自分のところにファンさんが来ていない時、客席のファンさんがかこちゃんに手を振ると、かこちゃんはそのファンさんに対して、笑顔いっぱいに両手で手を振り返したのです。ちなみにこの日来ていた他のメンバーで、そういうことに応じない娘もいました。この光景を目にし(しかも、一回だけじゃなかったのです)、「かこちゃんはアイドルとして成長したんだなあ」と感じました。
 うれしかったですよ。こういうファンとのコミュニケーションは非常に大切ですから。
 後輩の五期生などにとっても見習うべき存在にまで成長していると思います。まだまだ分からないところが多い娘ですが、以上のように少しずつ、遅いかもしれませんが成長し、自己主張を無意識下でし出している訳です。
 だから、もっとそういうところ(些細なことかもしれませんが)を評価していってあげたいものです。
 かこちゃんなりに頑張っていると思うんです。少し、意地悪な見方をすれば、SKiに入会してもう二年。焦りが、かこちゃんを頑張らせているのかも知れません。先に述べましたとおり、ポジション的に中途半端ですから。
 しかし、私はかこちゃんが、P会報 VOL'28 の『くろーずあっぷ』で言っていた、「かよのことを一人でも応援している人がいる限り、頑張りたいと思います」という言葉を信じています。
 決して、社交辞令などではないと…。そう考えています。

 かこちゃんも、もう入会以来ずいぶんと月日が過ぎていってしまったわけですが、ホントこれからの娘だと思います。決して、現状で頭打ちだとは思いません。だからこそ、もう少しSKiで活動してほしいのです。
 それからでも近い将来、どういう方向で人生を歩んでいくにせよ、人生の選択をするのは遅くないと思うのです。そうすれば、たとえ、現段階では無理だとしても、芸能界に残っていく可能性だって考えられるかもしれないし、また別の道を探すこともできる。つまり、選択の幅が広がっていくと思います。
 いずれにしても、今、頑張っているかこちゃんには、遅咲きではあっても、少なくともこのSKiという空間で、花を咲かせてほしいのです。
 そしてまた、今のかこちゃんにはその資格が十分にあるのですから。まだまだ、絶対に輝けるはずです。
 それまで見届けなくては…。

 P・S “◯◯デス”という言葉の使い方も、かこちゃんの特徴ですね。
    こうして考えると、彼女には様々な魅力があります。
    もっと、“かこちゃん一推し”という人が増えてもおかしくないのですが…。



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