last update:98/04/11


未来をつぐものへ

BY ブルーウェイブ


 98年のSKi卒業メンバー、実にその数七人。実質的に、この三月に正式にお目見えする5期生6人と代わる形で、メンバーのおよそ半数が入れ替えと言う形になってしまった。
 2月8日に行なわれた「橋本美香・バースディパーティー」で主役の橋本美香は「メンバーがたくさん卒業してしまいましたが、制服向上委員会はこれからも続いていきますので応援してください」と言う意味の事をMCで自らで述べたと言う。この発言は、グループそのものの根幹がぐらつき始めていると言う事実を、メンバー自身が痛切に感じていると言う危機感の現れに他ならない。
 当面の間、実質的にステージを引っ張っていくのは、本田博子・橋本美香・井上裕紀子の三人となる。
 これに今年は新三期生として昨年成長を遂げた松井陽子が加わり、さらに最年長のベテラン・久保愛が「お助けおばさん」として加わることになるのだが、正直言ってこれだけでは心もとない。
 昨年5月の公演では、井上裕紀子一人がステージから抜けただけで、内容はガタガタになってしまった。
 まだ、ステージでシンを取れる人材が、何人か存在した昨年の春ですらこの始末である。もし今年一人でも主力メンバーがステージを離れる事になったら、一体どうなってしまうのであろうか…。

 私達、口の悪いライブ・アイドルファンの中にはこの春「SKiはもう立ち直れないよ」とか「一推しの子が卒業するのを機会に、もうファンをやめるよ」と言い出している者がいる。
 でも本当は皆、このライブ・アイドルグループに、再び立ち直って欲しいと思っているのだ。
 なんだかんだ言っても、みんなこのアイドル・グループが大好きなんだよ。好きだからこそイベントやコンサート後での飲み会で、内容への不満をぶちまけるんだよ。
 何故、私達がメンバーに顔と名前を覚えてもらうのが嬉しいのか。どうしてお金を出してまでツーショット・ポラを撮ってもらうのが楽しいのか分かりますか。
 ティーンの女の子と喋れるのが楽しいから?それは絶対に違う!夢を見せてくれる魅力を持った人間がその相手だからこそ、初めて価値があるんですよ!例えそれがうたかたの物であったとしても!
 そのあたりを送り手側には履き違えてほしくはないし、ましてそのファクターだけを一枚看板にしたと言っていい、先日解散した某マネっ子グループのレベルまでクオリティを落としてほしくないのです。
 それがもはや出来ないくらいなら、今までSKiの歴史を作ってきた、かつて在籍していたメンバー達と、古き良き時代を知っているファンさん達に申し訳ないから、もう『制服向上委員会』の看板を下ろしてしまえと言いたい。

 最初の四期生がステージに立ってからこの春で、およそ一年になる。この春から、その四期生達がいよいよ表に立ってステージに立つ事となる。彼女達はこの一年、良いことも悪いことも色々と経験してきたと思う。その経験がいよいよこれから本格的に試される時が来たのである。
 現在、在籍する六人の四期生達は、ライブ・アイドルグループ『制服向上委員会』のメンバーとしてこの先、十分やっていけるだけの才能と資質をそなえている者ばかりだ。
 しかし、機は熟したとは言え、まだまだ経験的に、そして実力的に心もとないのも事実である。
 94年末、西武ライオンズはそれまでの黄金期を支えて来た選手達が次々に離れていき、一流チームの凋落、言わば『西武王国』崩壊の危機を迎えた。しかしただ一人残った黄金期を知る伊東勤捕手が、経験を知らない若手選手達に、自分が黄金期に積み重ねてきた経験をたたき込み、昨年見事に優勝。見事に『西武王国』の復活を果たした。
 同じように四期生達には、今年グループの屋台骨を支えるであろう本田・橋本・井上・久保の四人から、今年、ありとあらゆることをステージの上で徹底的に叩き込まれ、やがては一本立ちしてほしい。
 橋本美香からは、アイドル性を。井上裕紀子からは歌唱の技術を。久保愛からはファンさんらを和ませるコンフォート性を。そして本田博子からはリーダーシップを取ると言う事と、ファンさんへの心配りと言う物を学んで欲しい。
 『制服向上委員会』がいつまでも『アイドル』でいたいのであれば、このメンバーの大幅な卒業を機会に『歌い・踊り・魅せる』と言うライブ・アイドルの原点に帰り、再び一からグループを作り上げる大胆なイノベーション(変革)が今必要だ。それが出来るのは、フレッシュかつ無限の魅力を持った六人の選ばれし四期生達なのだ。
 私は彼女達ならば、必ずそれをやってのけてくれると信じている。


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