last update:98/03/18
 ◇ コンサート レポート ◇

 第115回「制服の日」
 アコースティック・ライブ'97 〜SKiが見つけた、小さい秋〜

 【井上裕紀子&斉藤美緒子 with ケニー井上】

  at.下北沢・251  1997/10/23(Thu) 19:00-


斉藤美緒子  会場は、下北沢のライブハウスだった。客席前方に椅子はあるものの、後ろは立ち見。う〜む、恵比寿の純菜ちゃんのライブみたいだ{前号の記事参照}
 お昼にしゃしょうさんから電話がかかってきて、レポートを頼まれてしまった。で、今回初めてコンサート中にメモを取ることにしたのだが、書、書けない…。こまばと違って真っ暗なので、手元が全く見えないのだ。結局、暗がりの中、勘で書く羽目になった(泣)。

 19時に開演。「早速、御両名の登場か?」と思いきや、出てきたのは四期生の麻井玲那ちゃん。「とっても緊張しています」と言いながらも、『トップ・オブ・ザ・ワールド』『ここにおいでよ』『笑顔がスキッ!』など4曲を歌った。最後の『いつか輝く』だけは、出だしをトチってしまったが…(次は頑張ってくださいね)
 MCもなかなか楽しく、「SKiに入ってから、音楽の成績が2から4に上がった」とか「特に勉強はしなかったけど、社会科の成績がすごく良かった」だなんて、(自分の)学生時代が懐かしいぞ! ちなみに数学は、“とても人に言えるような成績ではない”とのこと(笑)。玲那ちゃんは歌い終わった瞬間にすごいため息をつき、ファンをどよめかせていた。
 そして、ゆっきぃと斉藤さんが登場。ギターのケニー井上さんは未だに現れない。玲那ちゃんが出た後なので、二人ともお姉さんに見える(^^;。斉藤さんはパンツルック。ゆっきぃは赤いロングスカートで現れた。ひょっとして私服かな?
 どちらも「緊張しています」と言っていたが、無理もない。今回の公演は自分で歌いたい曲を選ぶことができて、初めて歌う曲がたくさんあるのだそうだ。ゆっきぃは、「(お客さんにも)一緒に歌ってほしいです」とも言った。
 『天気がいいね』から始まって、『ラブ』『ボクサー』など5,6曲歌ってから、ようやくケニー井上さんが出てきて “アコースティック・ライブ”らしくなった。『ミセス・ロビンソン』を歌う斉藤さんは、初めて歌う曲なのでとっても不安そうな表情。対するゆっきぃは「私がタンバリンでごまかします(^^;」と、タンバリンを振り回す。リズムを取るゆっきぃの姿も凛々しい。
 そのゆっきぃ、何曲か歌った後のMCで、いきなり「今(歌った)のはアマンダ・マーシャルのカバーだったんですけど、この人の曲は絶対にお薦めです!」と、自分の大好きな歌手のPRをしていた。彼女の言葉にすごく力が入っていたので、次の日私もレコード店に買いに行きました。で、聴いてみたら、どの曲もハスキーボイスのヴォーカルで艶やかに歌い上げられ、結構良かったです。でも、私はゆっきぃのヴォーカルの方が断然好きですが…。

 そして、コーナーだ。
 玲那ちゃんが再び登場。「四期生&レッスン生 紹介」ということで、ゆっきぃと斉藤さんがひとりひとりについて論評していく(ほとんど、ゆっきぃ一人でしゃべっていたような…)。伊藤嘉代子ちゃんは「面白い。歌う時には別人のように違っててびっくりした。」、川野朋美ちゃんは「いつも笑顔でいてほしい。私が男だったら守ってあげたくなるような娘。」、中井祐子ちゃんは「若い!!{←当たり前だ(笑)}」。そして玲那ちゃんは、「落ち着きすぎ」なんだそうだ。
 周りから、「篠原智子が来ているぞ」というヒソヒソとした話し声が聞こえた。客席の後ろを見ると…。

 いた!! 確かに智子ちゃんだ。これは、ちょっと得した気分(^^)。
 数分後、衣装換えを済ませたご両名が出てくる。ゆっきぃは、グレー系の服でスラッとした姿を魅せていた。シックな衣装も結構似合います。
 曲は、『約束』から始まって『ダウン・オン・ザ・コーナー』『ヒート・ウェーブ』と、洋楽のカバー曲が続く。斉藤さんが『縁もゆかりのロックンロール』『いつものように』を歌うと、今まで静かだった会場も一瞬こまばのような盛り上がりを見せた。ずっと怖い顔をして聴いていた人も、とびきりの笑顔(c)になった。「みんな、アイドルの曲が好きなんだなぁ…」と、私までもがうれしい気分になったが、 ただ一人、白い人(ゆずぽんさん)だけが悶絶していた(笑)。

 本編のラストは『アイ・シャル・ビー・リリースト』だったのだが、このとき既に21時。
 会場の灯りは点かないまま、アンコールへと突入した。またしても洋楽で、『フォー・ワンス・イン・ア・ホワイル』や『ふたりの世界』などを歌って、22時に終わる。
 『初恋にサヨウナラ』や『終章 =エピローグ=』もなく、“アイドルの曲”を聴きに来たファンにとってはやや不満が残る公演となったが、洋楽が好きな私としては、メンバーの好きな曲の傾向が分かったりしてなかなか楽しめたものであった。
 しかし、井上裕紀子と斉藤美緒子という相当の歌唱力・プロ意識を持った二人(特に斉藤さん)が、このようなライブハウスの公演で「緊張している」を連発し、トチリトチリ歌っている姿は何とも痛ましかった。せっかくのチャンスなのだから、もっときっちりとした内容にしてほしかったと思う。ちょっと悲しい思いの残る、帰り道であった…。

[文:東京都/匿名希望]

[カメラ:みのる]



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